2009年5月18日月曜日

ソバの絵本(★)

5月18日

☆ 「ソバちゃんお早う。ねー、何か言いたいことがあった  の? ゆうべ寝ているのに、その尖ったお頭で、ごそごそと起こしに来たような気がしたのだけれど・・」


★ 「うん。あるのね。昨日のブログに、大全兄さんのことを書いていたでしょ。でも僕のことは何も言ってなかったので、もう忘れちゃったのかとか、見放したのかとか、いっぱい、いっぱい悲しくなったの。」


☆ 「ソバちゃんの事を忘れたりするはずあるものですか」


★ 「そうだよね。退官記念の贈り物にボクを選んでくれたものね。普通の人は論文集にするのに、絵本だなんて、面白がってくれた人も、一寸馬鹿にした人もいたけれど、ボクは嬉しかったよ。それにね、敏子さんらしいなと思った。
だのに、ブログでは何もボクのことを話してくれないのだもの」


☆ 「そうだったよね。ごめんね。
   何時でも何時でも一緒にいてくれるから、当たり前になり過ぎちゃったのかも知れないね。


★ 「いつも一緒にいるボクの、一番好きなところってどこなの?」


☆ 「可愛いところ」


★ 「うん、それは判るけれど。どんなところが可愛いと思うの?」


☆ 「多分、優しいところ。ヒトにもとっても優しいから」


★ 「でも、そのことをヒトは理解してくれているのかしら? そう思えない時も良くあるよ」


☆ 「確かにね」


★ 「それから、敏子さんはボクの仲間が皆いろいろだってことが楽しいと何時も言ってるけれど、そのこともあまり良く言わないヒトも多いようだけど・・・」


☆ 「そうよね。ソバちゃん達のよいところのごく一部しか良い点と言えないのが日本の今よね。美味しいとか、健康食品だとか、観光資源に利用できた場合とか。
でも、もっともっと隠れた大切なところがあるのにと、ソバちゃんはいいたいのでしょう。 二人でゆっくりゆっくりお話しながら、どう伝えれば良いのかを考えていきましょうよ。大全兄さんの知恵も借りながら」
★ 「そうだね。良く言ってくれるヒトも、悪く言うヒトも、いろいろの立場があるのだからねー」


★ 「ところで、一寸難しい質問かも知れないけれど、ボクには気に掛かっているから教えてほしいのだけどね。
同じソバのことを書く時でも、ブログの時と、僕のときと、大全兄さんの時とではなんとなく使う言葉が違うよね。一番違うのは研究論文かしら。
研究論文を書くときは、何でもかんでも数字に置き換えてしまって、統計処理をしてしまうでしょ。
敏子さんが数字を扱うのが好きとか、脳のどこかが切れていて、立体的な捕らえ方が下手だとか、いろいろ言っているけれど、でも、あの統計処理で論文を作るのは一寸不満だよ 」


☆ あのね、論文に書いて一応納得してもらえるのは、沢山調べて、その大体の傾向というか、一応こんな風なことが言えますと言うことなの。でも、本当に楽しいのは、それに入らない逸れ者で、その逸れ者が何を言いたがっているかを知りたいと思って、次の実験をするのよ。逸れ者を見つけて、逸れ者を調べるために、次の実験を計画するのよ。作業仮説と言うのだけれど。
多分、どんな分野の人でも、多くの研究者は、次の作業仮説を立てる楽しみで生きているのだと思うよ


★ そういえば、敏子さんと仲の良かったジョンおじさんも同じことを言ってたよね。


☆ これはとっても大切な話だから、またゆっくり話すことにしましょ。


★ うん。 あのね、医学博士で農学博士のジョンおじさんが、医学博士の方が農学博士よりとり易かったって、笑っていたような話なの?


☆ そうね。でも、オジサンは一般的に医学博士がとり易いと言った訳ではないことはわかるでしょ。


★ 近代科学の問題点とか何時いってるアレでしょ。そう言えば、テレビで、経済学にも別の視点を組み入れなければならないと言ってたよね。
そのアレよね。


☆ そう。でも、アレ、アレを繰り返していたら、ソバちゃんのアレと私の考えているアレが違ってきても、分からなくなっちゃうよね。何時かゆっくり「アレ」の定義をして見ましょうね。少なくとも二人の間の共通の言葉を確かめながら。


★ うん、わかった。
ボク達ソバ仲間の言い分をちゃんと聞くことが大切なのだと思いながら、そう表現すれば良いのかと、考えている願いながら待っているよ。

★ お休みの前に、ボク達の良いところを一寸だけ念押ししておきたいの。
でないと、眠れないよ。


☆ そうよね。私とソバちゃんが違ったら大変だものねー


★ 粉でも粒でも料理が出来るし、もやしでも良いし、葉っぱのおしたしも、天麩羅でも良いのだよね。染物にも使えるし、干した葉はスープに出来るし、昔の飢饉の時は茎も食べたんだよね、


☆ 大事なことをまだ忘れているよ。ソバちゃんが育つときにいろいろやってくれること。


★ そうなんだよね。今、エコのためのバイオ燃料に食用作物を使うのはいけないと、みんなわかってきたけれど、だから、食用にならない作物で、早く大きく育つ作物を使ったり、そのための育種をしたりすると言ってるけれど、その時、土さんが疲れちゃうことを考えなければならないんだよね。
ボクの大きな大きな役割は、そこにもあるのだよねー。

☆ 沢山の大切なお話をしてきたけれど、随分宿題を残したままよね。


★ 全部が宿題なんでしょ。
まー、良いか。
その代わり、時々呼び出してお話続けようね。
お休みなさい・
  
☆ 今夜は尖ったお頭でごそごそしないで眠れるかしら?
続きをちゃんとお約束するから、ソバちゃんゆっくりお休みなさい。
 

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