2009年6月14日日曜日

ダッタンソバ(4)利用方法(★)

6月16日

ダッタンソバはニガソバ、苦ソバ、中国語では苦チャオ。
たしかに苦い。
日本でダッタンソバが流行り始めた十数年前、東京の老舗の蕎麦屋が作ったという黄色い蕎麦麺を贈られた。多くに人に試食してもらおうと、再度どっさり依頼したら、中に立った人に苦言を呈された。材料は勿論、打ち方の技術が大変なのに、老舗のものを軽々と要求するとは・・・と。確かに私の方が問題で、失礼であったことには間違いない。

ただ、ダッタンソバを多く栽培し、利用する国々を見てきた私には、日本の蕎麦とほぼ同じ打ち方、ゆで方で食べようとすることがどうも気になって仕方がなかったのである。

その後、ダッタンソバに対する関心は高まり、日本の中にかなり定着してきている。
しかし、ルチンの含量が普通のソバより多く健康に良いという点に着目されて始まった日本では、新品種の開発も利用方法は、普通の穀物の食べ方とは違う方法に進んでいる。

このブログでは今後も各国のソバを紹介し続けていくので、その中で詳しく述べる予定であるが、ごくさわりだけ、ここに紹介しておこう。

ルクセンブルグではクレープ状に焼いくのが伝統的であり、また、ヨーロッパの他の国々で普通ソバにダッタンソバが混入していた頃は硬いパンが多い時代で、パンと麺の粉の荒さが違うから、混入は問題にならなかったものと思われる

中国ののダッタンソバは普通のソバと料理の方法はほとんど変わらず、蒸し餃子、切り麺猫の耳たぶその他いろいろである。ほとんど苦くはないのは茹で時間が長いからだそうだ。この点に関しては後で記そう。
最も一般的なのは乾麺で、健康食として露店ででも売っているし、立ち食いそばの店にも多くの人が集まっている。しかしこれはかなり苦い。インスタント粥の方便粥は手軽に苦そば粥が作れる。苦そば茶は日本の最近流行のものと同様に見えるが、香が良くて非常に美味しい。製法をたずねたら企業秘密だと笑っていた。
また、醸造加工をするものには雛鳳酒に力を入れている。ふん酒の技術を生かして、コーリャンをベースに、ダッタンソバと生薬を混ぜ、さらに孵化寸前の鶏の卵でつくる養命酒のようなものといえば良いだろうか。雛の姿を思い浮かべなければ美味しい酒に感じられた。黒酢の原料になるが、料理に醤油より酢を使うことの多い中国料理では需要が多いのかもしれない。

ネパールでものダッタンの調理法は普通ソバとそれほど変わらない。葉をサラダ風に食べるのはダッタンソバが多くて、やわらかいからとされている。
ネパールのボテと呼ばれている品種はダッタンソバの中で唯一果皮がはがれやすく、コメの様に炊いて食べる苦くないものである。一つの限られた地域にだけ存在する、幻のダッタンソバとも言われている。

ところが、中国山西省のダッタンソバ研究所の庭に天火干しをしているダッタンソバは全部殻が割れていた。そこで食べたダッタンソバ料理が苦くなかったのも、ソバ茶が美味しかったのも、果皮が剥がれる品種だったからなのか、黄土高原の極めて強い太陽光と乾燥した空気が果皮を割り易くするのか、わからない。品種が特殊なのかと尋ねてみたら、「いや、どれでもこうだ」と返事をされて、私いは唖然とし、猛然と再挑戦を心に決めたところで終わっている。

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