2009年6月11日木曜日

ハンガリーのドナウ川

6月12日

ハンガリーのソバに入る前に、何故6月1日からのブログを、各国一日の割合で毎日歩こうと思い始めたかを話したい。
それは丁度新型インフルエンザが日本にも入るかも知れないと、成田他の空港でのものものしい検疫が始まった頃である。私には国際線の検疫で止めることなど思いもよらない話だった。もし恐ろしい感染力と症状を伴うものなら、同時に国内の体制を整えるのに力を注ぐべきではないかとも考えられた。
その他にも、北朝鮮のミサイル問題などなど、日本の国際対応に多くの疑問を感じる事例が続発していた。
そして、それらは日本のものの考え方に他の国々とは違う○○があると。

ソバとインフルエンザウイルスを同じに見るわけではない。しかし、人間と人間以外の生物にとっての国境とは何かを改めて考えて見たくなったと言えるのかも知れない。

あるいは、「安心安全」の標語のもとに、輸入食糧の産地を明記したり、食味期限の表示をやかましく言ったりすることが、日本人の健康に繋がるのか。危険な食物を日本へ送ることになってしまった他国に対して、その原因を作ったのは日本ではなかったのか? 
など、個人とは、国とは何かを考えたいと始めたのでもある。

この話の続きは、また別の機会に譲るとして、今日の○○のハンガリーに入ろう。
とは言え、ハンガリーの日に、「国」の問題を考えたのには、若干個人的な意味もある。

25年前に、スロベニアとハンガリーの国境を写真に撮って、国境警察で2時間あまり拘束されたころがある。この話を単に私が不注意だったからとお叱りにならないで頂きたい。ほぼ同じ頃、ほぼ同じ地点で、日本の著名な写真家が国境警察にフイルムを露光されてしまったのだから。
ここで私が言いたいのは、「私は日本人だから、国境なんて海の向こうの地平線としか感じられない」といったときに、その警察官が「それは予想できる。でも我々の国の状態も考えて欲しいのです」と言った会話である。
結果としては、私のフイルムは露光されずに手元に残り、二人で大笑いをしていただけの尋問だったが、

 実はこの国境警察の話は、ドナウ川に広がる平原のスロベニア川のソバ畑を見に行った時の話である。
 「プスタ」と呼ばれるハンガリーの大草原の西の端は、スロベニアの首都リュブリアーナまで広がっていて、そこには、ソバ畑、トウモロコシ畑など、スロベニアの穀倉地帯となっている。このことは、何れスロベニアの項で記すとしよう。

 ドナウ川はドイツのライン川、あるいはポーランドのビスワ川のように一国を流れる川ではない。ドイツのシュヴァルツヴァルトに源を発し、オーストリア、ハンガリーなど、18の国々を流れて黒海に注ぐ。ドナウは正に中部ヨーロッパとバルカンの川であり、古来オリエントとヨーロッパを結ぶ東西の架け橋とも言われてきた。
しかし、一方では沿岸地域に極めて多くの民族、宗教が錯綜して、そこに繰り広がれれた戦争の軍用道路の役も果たしてきた。

ハンガリーの歴史もまた複雑である。
それに深く入るには、若干疲れている。
次回は、ハンガリーの大平原を中心に繰り広げられてきた農業の視点から見て行きたい。

明日は[I]の付く国へ


 

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